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スポーツ健康科学研究科 博士後期課程3年 山口寛基さんの研究論文が、「Scientific Reports」に掲載されました。
スポーツ健康科学研究科 博士後期課程3年 山口寛基さんが、本学石井好二郎教授らと共同で取り組んだ研究論文「 Using wet-bulb globe temperature meters to examine the effect of heat on various tennis court surfaces 」が、「 Scientific Reports 」に掲載されました。
テニスの試合は、さまざまなコートサーフェスで行われます。日本では、ハードコート、砂入り人工芝コート、クレーコートの3種類のサーフェスが主に使用されています。先行研究では、選手に及ぼす熱ストレスに関して、既存の気象観測所とは異なる多様な微気候環境を構成する表面素材の影響を報告しています。しかしながら、夏季の各サーフェスの暑熱環境については未だ十分に明らかとなっていません。世界的な気温上昇により、熱中症のリスクがさらに高まると予想される中、各サーフェスの暑熱環境が明らかにされることで、運動指針やプレー時間の参考となることが期待されます。
そこで本研究では、2022年6月1日から9月21日までの平日、午前9時から午後5時まで、WGBT(湿球黒球温度)計を用いて屋外のハードコート、砂入り人工芝コート、クレーコートの熱環境を1時間ごとに評価しました。
その結果、日本スポーツ協会が発表する熱中症予防運動指針レベル別に比較した場合、 ”警戒”レベル(25≦気象庁WBGT≦28)ではハードコート、 ”厳重警戒”レベル(28≦気象庁WBGT≦31)ではハードコート、 砂入り人工芝コート、 ”運動は原則中止”レベル(31≦気象庁WBGT)では全てのサーフェスが気象庁の公表するWBGTと比較して有意に高値を示しました。経時変化について、 ”厳重警戒”レベル以上では9、10、12時においてハードコートと砂入り人工芝コート、13時において全てのサーフェスが気象庁WBGTと比較して有意に高値を示しました。本研究では気象庁の公表するWBGTよりも多くのテニスコートで高いWBGTが観測されました。試合を早朝や夕方、夜間に開催する可能性も探るべきであり、大会主催者やコーチが各コートのWBGTを実測する重要性を示唆しました。
関連情報 | -外部リンク-Scientific Reports |
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-外部リンク-EurekAlert! |
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