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スポーツ健康科学研究科博士前期課程の田中颯太郎さんが、日本スポーツ心理学会第51回大会で「優秀発表賞」を受賞しました!
2024年9月27日~29日に、日本スポーツ心理学会の第51回大会が広島大学東千田未来創生センターにて開催されました。今大会において発表した、「Dyad practiceにおける学習者のスキルレベルが運動学習に及ぼす影響」が、一般発表全体の中で優秀な発表に対して贈られる「優秀発表賞」を受賞しました。
受賞名:優秀発表賞
発表演題:Dyad practiceにおける学習者のスキルレベルが運動学習に及ぼす影響
筆頭発表者名:田中颯太郎
連名者:石倉忠夫
運動学習において、二人組での練習(Dyad practice :DP)が効率的な練習形態の一つとして挙げられます。本研究は、DPにおいて、自身より適度にスキルレベルが高い人(経験者)とペアを組むことが、運動学習にどのような影響を及ぼすかを明らかにすることを目的としました。課題未経験な大学生、大学院生30名を対象とし、⑴一人で練習する条件(AP:10人)、⑵初心者同士(Novice)でペアを組み二人一組で練習する条件(DPN:5組、10人)、⑶経験者(Experienced person)と初心者でペアを組み二人一組で練習する条件(DPE:10組、経験者10人、初心者10人)の3つの条件に分けて、バランスボード課題を用いた実験を行いました。AP条件は60秒の練習試行と60秒のインターバルを交互にして、DPN、DPE条件は60秒の練習試行と60秒のパートナーの観察を交互にして、計20試行行いました。
1週間後に、保持テストを行いました。実験の結果、すべての練習条件において本課題でのバランス能力は向上しましたが、DPEがAP、DPNより有意に成績が向上しました。また、ボードの傾きの時系列変化から、DPEがAP、DPNより、より適応的な運動制御戦略を獲得した可能性が示されました。
以上から、バランスボード課題では、一人で練習する、もしくは初心者同士でのDPよりも、経験者とのDPにて練習した方が学習効果が得られると言えるでしょう。