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トピックス

スポーツ健康科学研究科 吉村美保さん(環境生理学研究室)のinvited min-review が国際誌「International Journal of Physical Medicine & Rehabilitation」に掲載されました。

2023年12月15日 更新

スポーツ健康科学研究科 博士後期課程2年 吉村美保(環境生理学研究室)が、本学生命医科学部 市川 寛教授および、生命医科学研究科修了生の澤田有里さんと共同で取り組まれたミニレビュー論文「Enhanced Athletic Recovery Using Cold-Water Immersion with Dissolved CO2 and H2」が、リハビリテーション医学系の国際学術誌「International Journal of Physical Medicine & Rehabilitation」に掲載されました。


運動後の疲労回復や熱中症対策を目的として、アイシング療法を実施することは昨今一般的ですが、冷却による皮膚や筋の血流減少がかえって回復を遅延させる可能性が指摘されています。そこで、我々は冷水に血管拡張効果のある炭酸ガスを加えた冷炭酸水浴を考案し、冷却と血流促進を両立する処方を開発、検証に成功しました。(Yoshimura et al. PreeJ 2020, Yoshimura et al. Res Sports Med 2022, Yoshimura et al. JESF 2023) さらに炭酸ガスだけでなく、新たなアプローチとして冷炭酸水浴に抗炎症作用のある水素ガスを加えることにより、運動後2.3日後に出現する筋肉痛からの回復を促進される可能性があることを確認しました。(Yoshimura et al. Heliyon 2023)今回のミニレビューでは、これら一連の研究のまとめとして、従来のアイシング(冷水浴)、炭酸ガスや水素ガスに関する文献と、活性酸素への水素ガス効果に関する新たなデータについても解説しました。新たな研究成果では、男性アスリート20名を被験者とし、コントロール、冷水浴、冷炭酸水浴、冷水素炭酸水浴の4群に分けて試験を実施しました。(Fig.1) 被験者は2回の短時間・高強度のスプリント運動を行い、その間にそれぞれの回復介入を行いました。血液中の活性酸素の一種であるヒドロキシラジカル(・OH)の消去活性等を計測しました。その結果、4群のうち冷水素炭酸群のみ、介入前後の平均パワーの変化と・OH消去活性の変化との間に正の相関が認められました。(Fig.2) このことから、スプリント運動では・OHが過剰に発生すると酸化障害を引き起こし、パフォーマンス低下の一因になると考えられますが、冷炭酸水と水素ガスの組み合わせが、・OH消去活性を高め、運動能力の回復に有効である可能性が示唆されました。

論文タイトル

Enhanced Athletic Recovery Using Cold-Water Immersion with Dissolved CO2 and H2

著者

Miho Yoshimura1, Yuri Sawada2, Hiroshi Ichikawa2, Masatoshi Nakamura3, Yoshiyuki Fukuoka1 1Faculty of Health and Sports Science, Doshisha University, Tatara Miyakodani, Kyotanabe, Kyoto, Japan2Faculty of Life and Medical Science, Doshisha University, Tatara Miyakodani, Kyotanabe, Kyoto, Japan3Faculty of Rehabilitation Sciences, Nishi Kyushu University, Kanzaki, Saga, Japan

関連情報

DOI: 10.35248/2329-9096.23.11.704

関連情報 International Journal of Physical Medicine & Rehabilitation

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