'23年10月11日 更新
スポーツ健康科学研究科 博士後期課程1年 北村将也さんが、本学スポーツ健康科学部 上林清孝准教授および、本学修了生の山本勝也さん、大島惇史さんと共同で取り組まれた研究論文「Corticospinal excitability during observation of basketball free-throw movement: Effects of video playback speed and stimulus timing」が、国際学術誌「PLOS ONE」に掲載されました。
スポーツ健康科学研究科 博士後期課程1年 北村将也さんが、本学スポーツ健康科学部 上林清孝准教授および、本学修了生の山本勝也さん、大島惇史さんと共同で取り組まれた研究論文「Corticospinal excitability during observation of basketball free-throw movement: Effects of video playback speed and stimulus timing」が、国際学術誌「PLOS ONE」に掲載されました。
他者の動作を繰り返し観察することで、観察者の身体動作が観察前から変化することがあります。その要因として、ヒトが動作を観察する際にも運動実行に関連する脳領域が活動することが挙げられます。
スポーツ現場では動作修正等の目的のため、低再生速度で動きの動画観察を行う場合があります。しかし、スポーツでみられるような全身を用いた複雑な動作の観察において、動画再生速度の低下が脳活動に与える影響はいまだ明らかになっていません。そこで本研究では、バスケットボールのフリースロー動作観察における動画再生速度低下が、一次運動野から脊髄α運動ニューロンへ投射する経路である皮質脊髄路の興奮性に与える影響を検討しました。加えて、運動観察中の皮質脊髄路興奮性が観察する動作のフェーズや動作の熟練度によって変化するかについても検討しました。
対象者をバスケットボール熟練者9名と非熟練者9名の2群としました。対象者がフリースロー動作映像を観察している際に経頭蓋磁気刺激(TMS)を左一次運動野に与え、皮質脊髄路興奮性の指標である運動誘発電位(MEP)を右腕の橈側手根屈筋(FCR)と小指外転筋(ADM)から計測しました。映像は3種類の再生速度[100%(通常再生速度), 75%, 50%]で呈示し、映像中のモデルの下肢三関節が屈曲した瞬間(Hold)かボールリリースの瞬間(Release)にTMSを与えました。
その結果FCRのMEP振幅では、50%条件において100%条件よりもMEP振幅が有意に小さくなりました。ADMのMEP振幅は、再生速度には関連せず、Release時よりも Hold時に有意に大きい値を示しました。
本研究の結果は、運動観察中の皮質脊髄路興奮性が動画再生速度や動作のフェーズによって変化することを示唆します。今回得られた知見は、運動観察の神経基盤への理解を深めることに繋がるものと考えられます。
スポーツ現場では動作修正等の目的のため、低再生速度で動きの動画観察を行う場合があります。しかし、スポーツでみられるような全身を用いた複雑な動作の観察において、動画再生速度の低下が脳活動に与える影響はいまだ明らかになっていません。そこで本研究では、バスケットボールのフリースロー動作観察における動画再生速度低下が、一次運動野から脊髄α運動ニューロンへ投射する経路である皮質脊髄路の興奮性に与える影響を検討しました。加えて、運動観察中の皮質脊髄路興奮性が観察する動作のフェーズや動作の熟練度によって変化するかについても検討しました。
対象者をバスケットボール熟練者9名と非熟練者9名の2群としました。対象者がフリースロー動作映像を観察している際に経頭蓋磁気刺激(TMS)を左一次運動野に与え、皮質脊髄路興奮性の指標である運動誘発電位(MEP)を右腕の橈側手根屈筋(FCR)と小指外転筋(ADM)から計測しました。映像は3種類の再生速度[100%(通常再生速度), 75%, 50%]で呈示し、映像中のモデルの下肢三関節が屈曲した瞬間(Hold)かボールリリースの瞬間(Release)にTMSを与えました。
その結果FCRのMEP振幅では、50%条件において100%条件よりもMEP振幅が有意に小さくなりました。ADMのMEP振幅は、再生速度には関連せず、Release時よりも Hold時に有意に大きい値を示しました。
本研究の結果は、運動観察中の皮質脊髄路興奮性が動画再生速度や動作のフェーズによって変化することを示唆します。今回得られた知見は、運動観察の神経基盤への理解を深めることに繋がるものと考えられます。
他者の動作を繰り返し観察することで、観察者の身体動作が観察前から変化することがあります。その要因として、ヒトが動作を観察する際にも運動実行に関連する脳領域が活動することが挙げられます。
スポーツ現場では動作修正等の目的のため、低再生速度で動きの動画観察を行う場合があります。しかし、スポーツでみられるような全身を用いた複雑な動作の観察において、動画再生速度の低下が脳活動に与える影響はいまだ明らかになっていません。そこで本研究では、バスケットボールのフリースロー動作観察における動画再生速度低下が、一次運動野から脊髄α運動ニューロンへ投射する経路である皮質脊髄路の興奮性に与える影響を検討しました。加えて、運動観察中の皮質脊髄路興奮性が観察する動作のフェーズや動作の熟練度によって変化するかについても検討しました。
対象者をバスケットボール熟練者9名と非熟練者9名の2群としました。対象者がフリースロー動作映像を観察している際に経頭蓋磁気刺激(TMS)を左一次運動野に与え、皮質脊髄路興奮性の指標である運動誘発電位(MEP)を右腕の橈側手根屈筋(FCR)と小指外転筋(ADM)から計測しました。映像は3種類の再生速度[100%(通常再生速度), 75%, 50%]で呈示し、映像中のモデルの下肢三関節が屈曲した瞬間(Hold)かボールリリースの瞬間(Release)にTMSを与えました。
その結果FCRのMEP振幅では、50%条件において100%条件よりもMEP振幅が有意に小さくなりました。ADMのMEP振幅は、再生速度には関連せず、Release時よりも Hold時に有意に大きい値を示しました。
本研究の結果は、運動観察中の皮質脊髄路興奮性が動画再生速度や動作のフェーズによって変化することを示唆します。今回得られた知見は、運動観察の神経基盤への理解を深めることに繋がるものと考えられます。
スポーツ現場では動作修正等の目的のため、低再生速度で動きの動画観察を行う場合があります。しかし、スポーツでみられるような全身を用いた複雑な動作の観察において、動画再生速度の低下が脳活動に与える影響はいまだ明らかになっていません。そこで本研究では、バスケットボールのフリースロー動作観察における動画再生速度低下が、一次運動野から脊髄α運動ニューロンへ投射する経路である皮質脊髄路の興奮性に与える影響を検討しました。加えて、運動観察中の皮質脊髄路興奮性が観察する動作のフェーズや動作の熟練度によって変化するかについても検討しました。
対象者をバスケットボール熟練者9名と非熟練者9名の2群としました。対象者がフリースロー動作映像を観察している際に経頭蓋磁気刺激(TMS)を左一次運動野に与え、皮質脊髄路興奮性の指標である運動誘発電位(MEP)を右腕の橈側手根屈筋(FCR)と小指外転筋(ADM)から計測しました。映像は3種類の再生速度[100%(通常再生速度), 75%, 50%]で呈示し、映像中のモデルの下肢三関節が屈曲した瞬間(Hold)かボールリリースの瞬間(Release)にTMSを与えました。
その結果FCRのMEP振幅では、50%条件において100%条件よりもMEP振幅が有意に小さくなりました。ADMのMEP振幅は、再生速度には関連せず、Release時よりも Hold時に有意に大きい値を示しました。
本研究の結果は、運動観察中の皮質脊髄路興奮性が動画再生速度や動作のフェーズによって変化することを示唆します。今回得られた知見は、運動観察の神経基盤への理解を深めることに繋がるものと考えられます。