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第26回日本健康支援学会学術大会にて、大学院スポーツ健康科学研究科運動処方(石井好二郎)研究室から2名が受賞しました。

3月7日(金)〜8日(土)とShimadzu Tokyo Innovation Plaza(神奈川県川崎市)にて第26回日本健康支援学会学術大会が開催されました。
スポーツ健康科学研究科博士後期課程2年の森隆彰さんが発表した、『心疾患・脳血管疾患における標準化死亡比と関連する緑地の特徴:日本全国の市区町村を対象とした地域相関分析』が口頭発表部門 大会優秀賞、
スポーツ健康科学研究科博士前期課程1年の松村梨那さんが発表した『特定健診受診者の運動習慣の有無と主観的な歩行速度による代謝性疾患およびメタボリックシンドロームのリスク予測の検討』が最優秀スライドデザイン賞をそれぞれ受賞しました。
大会優秀賞では抄録・口頭発表・質疑応答の分かりやすさに加え、健康支援研究としての質(実施可能性、関心度、新規性など)など総合的に評価されました。
最優秀スライドデザイン賞では、瞬時に内容がわかりやすい点(イラストの使い方、テキストの情報量)が高く評価されました。
発表演題
『心疾患・脳血管疾患における標準化死亡比と関連する緑地の特徴:日本全国の市区町村を対象とした地域相関分析』
受賞名
口頭発表部門 大会優秀賞
筆頭発表者名
森隆彰
連名者
大石寛、大道智恵、池上健太郎、山口寛基、花野宏美、廣惠優、松村梨那、石井好二郎
2008-2012年/2013-2017年/2018-2022年の3時点にて、日本全国の5570地域(各時点約1800市区町村)を対象としました。厚生労働省の人口動態統計のオープンデータを活用し、心疾患・脳血管疾患の標準化死亡比(地域間で死亡リスクを比較するための指標)との関連する緑地の特徴(公園,街路樹など)を明らかにすることを本研究の目的としました。
マルチレベル回帰分析の結果、心疾患では街路樹と敷地内の緑地が、脳血管疾患では街路樹が多い地域ほど、標準化死亡比が低いという関連が明らかになりました。街路樹や敷地内の緑地といった「整備された緑」は、運動や園芸などの活動の場を形成し、生活習慣病の予防を経て、心疾患・脳血管疾患の死亡リスク低減に寄与した可能性を示すエビデンスを日本全国レベルで強調しました。
発表演題
『特定健診受診者の運動習慣の有無と主観的な歩行速度による代謝性疾患およびメタボリックシンドロームのリスク予測の検討』
受賞名
最優秀スライドデザイン賞
筆頭発表者名
松村梨那
連名者
池上健太郎、森隆彰、大石寛、大道智恵、山口寛基、花野宏美、廣惠優、山陰一、浅原哲子、金﨑めぐみ、桝田出、石井好二郎
2011年から2017までの間に、武田病院健診センターで特定健康診査の初回受診を行った40-74歳の男女23,549名を対象としました。初回受診時に高血圧症、Ⅱ型糖尿病、脂質異常症またはメタボリックシンドローム(メタボ)に該当しない者をそれぞれ分析対象とし、特定健診受診者の運動習慣の有無と主観的な歩行速度による代謝性疾患およびメタボの5年後のリスクとの関連を検討することを目的としました。
Cox比例ハザードモデルの結果、運動習慣が無く、主観的な歩行速度が速い者は、高血圧症、Ⅱ型糖尿病およびメタボの5年後のリスクが低いことが明らかとなりました。運動習慣が無い特定健診受診者において、主観的な歩行速度が速い者は高い全身持久力を有していたため、5年後の代謝性疾患やメタボのリスクを予測できる可能性が示されました。
お問い合わせ |
スポーツ健康科学部事務室・スポーツ健康科学研究科事務室 TEL:0774-65-6030
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