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スポーツ健康科学部石井好二郎教授が委員長を務める、日本肥満学会・日本サルコペニア・フレイル学会「サルコペニア肥満」合同ワーキングループによる、日本におけるサルコペニア肥満の診断基準および定義に関する論文が、Geriatrics & Gerontology International」に公開されました。
サルコペニア肥満(Sarcopenic obesity)は、肥満とサルコペニアを併せ持つ疾患として注目されています。
しかし、その定義や診断基準についてはコンセンサスが得られておらず、一貫性のない基準が研究で用いられてきた状況にあります。2017年10月、日本肥満学会(JASSO)と日本サルコペニア・フレイルティ学会(JASF)は、サルコペニア肥満に関する合同ワーキンググループ(Japanese Working Group on Sarcopenic Obesity [JWGSO])の設立に合意しました。
このワーキンググループは両学会のメンバーで構成されおり、1年後に活動を開始しました。約5年間の議論を経て、2023年11月の両学会の大会(JASF:11月5日、JASSO:11月26日)においてサルコペニア肥満の定義と診断基準を発表しました。
今回、英文論文化し世界に公開されました。アジアでは初めてのサルコペニア肥満に関するコンセンサスステートメントです。
サルコペニア肥満は、肥満とサルコペニアの共存と定義されています。しかし、既存の肥満とサルコペニアの診断基準を組み合わせても、サルコペニア肥満は診断されません。サルコペニア肥満に関する日本のワーキンググループは、日本人の特徴を考慮し、日本人に適用する診断基準を作成しました。
我々のアルゴリズムはスクリーニングと診断の2つのステップから構成されています。肥満のスクリーニングでは、国内基準に基づくウエスト周囲径および/または体格指数(BMI)を用いることを義務付けしました。
一方、サルコペニアのスクリーニングでは、Asian Working Group for Sarcopenia 2019の基準に、「指輪っかテスト」を加えました。サルコペニアの最終診断には、筋力低下には握力、身体機能低下には5回椅子立ちテスト、骨格筋量低下には四肢骨格筋量(BMIで補正)を用いることとしました。
肥満は内臓脂肪面積または体脂肪率で評価します。さらに、サルコペニア肥満は、筋力低下・機能低下、骨格筋量低下、および肥満を伴うステージIと、合併症を含むステージIIに分類しました。我々のコンセンサスはまだ臨床的に検証されていません。我々のアルゴリズムを用いて臨床データが蓄積されるにつれて、我々のコンセンサスとその適用年齢範囲などは更新する予定としています。
関連情報 |
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