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スポーツ健康科学研究科博士後期課程2年 吉村美保さん(環境生理学研究室) の論文が Journal of Exercise Science and Fitnessに掲載されました。

'23年5月25日 更新
アイシングはアスリートの疲労回復や熱中症対策として広く使用されているが、冷却による血管収縮がネガティブな効果として指摘されている。私たちは、血流を阻害せずに患部を冷却する方法として、冷水と血管拡張効果のある炭酸ガスを組み合わせた新たなアイシング技術の検証を続けてきた。これまでの研究として、マイクロバブル発生装置を用いて作成した冷炭酸水によるアイシングを実施したとき、炭酸ガスの血管拡張作用により皮膚血流・筋血流の増加が確認され、かつ、血管拡張により熱放散が促進され、従来の冷水浴よりも効率的に体温を低下させた(Yoshimura et al.,PreeJ 2020)。さらに、パフォーマンスへの影響を検証した実験では、心拍数(HR)と血中乳酸値([La]b)の低下が確認された(Yoshimura et al., Res Sports Med 2022)。

本研究は、実用化のための検証実験としてフィールドにアイシング装置を設置し(図1)、実際のスポーツ現場での測定を実施した。36名の被験者を、コントロール群(Control)、冷水浴群(CWI)冷炭酸水浴群(CCWI)に無作為に振り分け、30℃を超える酷暑でのトレーニング後の冷炭酸水浴の有効性を検証した。

その結果、アイシング終了後(回復期)の腹部(Tabdomen)および下肢(Tlowerlimb)の皮膚温は、CWIおよびCCWIでControlに対して有意に低い値を維持し、CCWIはCWIよりも長時間にわたり低温を維持した(図5)。また、CCWIの深部体温はControlと比較して、アイシング終了後50~60分でも有意に低い値を示した。このことから、CCWIはCWIよりも長時間冷却効果が持続することが分かった。CCWIは暑熱環境下のトレーニング後でもCWIよりも体温上昇を抑制し、熱中症対策としてより有効であることが示唆された。

商品化に向けたマイクロ炭酸アイシング装置が完成し、現在、種々のスポーツ現場においてモニタリングを実施している。
吉村さん
アイシングはアスリートの疲労回復や熱中症対策として広く使用されているが、冷却による血管収縮がネガティブな効果として指摘されている。私たちは、血流を阻害せずに患部を冷却する方法として、冷水と血管拡張効果のある炭酸ガスを組み合わせた新たなアイシング技術の検証を続けてきた。これまでの研究として、マイクロバブル発生装置を用いて作成した冷炭酸水によるアイシングを実施したとき、炭酸ガスの血管拡張作用により皮膚血流・筋血流の増加が確認され、かつ、血管拡張により熱放散が促進され、従来の冷水浴よりも効率的に体温を低下させた(Yoshimura et al.,PreeJ 2020)。さらに、パフォーマンスへの影響を検証した実験では、心拍数(HR)と血中乳酸値([La]b)の低下が確認された(Yoshimura et al., Res Sports Med 2022)。

本研究は、実用化のための検証実験としてフィールドにアイシング装置を設置し(図1)、実際のスポーツ現場での測定を実施した。36名の被験者を、コントロール群(Control)、冷水浴群(CWI)冷炭酸水浴群(CCWI)に無作為に振り分け、30℃を超える酷暑でのトレーニング後の冷炭酸水浴の有効性を検証した。

その結果、アイシング終了後(回復期)の腹部(Tabdomen)および下肢(Tlowerlimb)の皮膚温は、CWIおよびCCWIでControlに対して有意に低い値を維持し、CCWIはCWIよりも長時間にわたり低温を維持した(図5)。また、CCWIの深部体温はControlと比較して、アイシング終了後50~60分でも有意に低い値を示した。このことから、CCWIはCWIよりも長時間冷却効果が持続することが分かった。CCWIは暑熱環境下のトレーニング後でもCWIよりも体温上昇を抑制し、熱中症対策としてより有効であることが示唆された。

商品化に向けたマイクロ炭酸アイシング装置が完成し、現在、種々のスポーツ現場においてモニタリングを実施している。
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